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Emotetのメール例とは?特徴と見分け方、従業員教育への活用方法を解説

Emotetは、実在する取引先や社内関係者を装ったメールによって感染を広げるマルウェアです。通常の業務メールと見分けがつきにくいため、従業員が添付ファイルやURLを開いてしまい、端末感染や情報漏えいにつながるケースが発生しています。

また、感染端末から窃取されたメール情報や連絡先が悪用され、取引先や関係会社に対して感染拡大を狙う攻撃メールが送られる可能性もあります。結果的に自社だけでなく、取引先や関係会社にも被害が広がるおそれがあります。

Emotet対策では、セキュリティ製品による技術的な防御だけでなく、従業員が不審なメールに気づき、適切に対応できるよう教育することも重要です。

本記事では、Emotetの基本的な仕組みやメールの特徴、従業員教育へ活用するポイントについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.Emotetとは?メールを悪用して感染を広げるマルウェア
    1. 1.1.Emotetの基本的な仕組み
    2. 1.2.過去のメール返信を装うため見抜きにくい
  2. 2.Emotetで届くメール例とよくある特徴
    1. 2.1.返信メールを装う例
    2. 2.2.業務連絡を装う例
    3. 2.3.URLリンクやクラウド共有を装う例
  3. 3.Emotetメールを受け取ったときの確認ポイント
    1. 3.1.送信元だけで安全と判断しない
    2. 3.2.添付ファイルやリンクをすぐに開かない
    3. 3.3.開いてしまった場合はすぐ報告する
  4. 4.Emotetメール例を社内教育に活かす方法
    1. 4.1.実際に近いメール例で判断力を高める
    2. 4.2.見抜く訓練だけでなく、報告まで練習する
    3. 4.3.体験型学習で「怪しいと気づく・開かない・報告する」を定着させる
  5. 5.まとめ|Emotetメール例を知り、開かない・報告する行動を定着させる

Emotetとは?メールを悪用して感染を広げるマルウェア

Emotetは、メールを主な感染経路とするマルウェアです。受信者に添付ファイルやURLを開かせることで感染し、端末内の情報を窃取するとともに、その情報を利用してさらなる感染拡大を図る特徴があります。

Emotetの基本的な仕組み

Emotetは、主にメールに添付されたファイルや本文中のURLをきっかけに感染します。

窃取した情報は、感染拡大を目的としたメールの送信に悪用されるほか、組織内のほかの端末への感染や、別のマルウェアを送り込む二次感染につながる場合もあります。

このように、Emotetは単に迷惑メールを送信するマルウェアではなく、情報窃取と感染拡大を繰り返しながら企業全体へ被害を広げる点が特徴です。

過去のメール返信を装うため見抜きにくい

Emotetへの感染を狙うメールが見抜きにくい理由は、過去にやり取りしたメールへの返信を装って送信される場合があるためです。実在する相手の氏名やメールアドレス、過去のメール本文の一部が流用されることもあり、通常の取引先や社内からの連絡と誤認してしまう可能性があります。

そのため、送信元が知っている相手であっても、添付ファイルやURLを安易に開かず、件名や文面に不自然な点がないか確認することが重要です。

警察庁のサイトでは、返信メールを装ったEmotetのメールであっても、不自然な点があれば添付ファイルやURLを開かないよう注意を呼びかけています。

出典:警察庁『Emotet対策

Emotetで届くメール例とよくある特徴

Emotetのメールは、明らかに怪しい文面とは限りません。過去のメール返信や通常の業務連絡を装うため、受信者が「いつもの連絡」と誤認して添付ファイルやリンクを開いてしまう可能性があります。

返信メールを装う例

Emotetでは、過去にやり取りしたメールへの返信を装うケースがあります。件名に「Re:」「返信」「請求書の件」などが含まれ、本文には過去のやり取りの一部が引用されることがあります。送信元も実在する担当者に見えるため、受信者が不審に感じにくい点が特徴です。

文面は長い説明ではなく、「ご確認をお願いいたします。添付ファイルをご確認ください。」「先日の件について、資料をお送りします。」といった短い内容で、添付ファイルを開かせようとする場合があります。返信形式だから安全と判断せず、文脈に違和感がないか、添付ファイルが本当に必要なものかを確認することが重要です。

業務連絡を装う例

請求書・見積書・発注書・納品書・会議資料などを装うメールも、Emotetでよく見られるパターンです。業務上自然な件名やファイル名が使われるため、受信者が通常業務の一環として開封してしまう可能性があります。

添付ファイルには、Word・Excel・ZIPファイルなどが使われる場合があります。ファイルを開いた後にマクロの有効化やセキュリティ警告の無視を促される場合は注意が必要です。警察庁も、添付された文書ファイルを開いた際にマクロやセキュリティ警告が表示された場合、マクロを有効にしたり警告を無視したりしないよう呼びかけています。

出典:警察庁『Emotet対策

URLリンクやクラウド共有を装う例

Emotetでは、添付ファイルではなく、本文中のURLから不正ファイルをダウンロードさせる手口もあります。クラウドストレージやファイル転送サービスを装い、「容量が大きいためこちらから確認してください」「資料を共有しました」といった文面でリンク先へ誘導するケースです。

クラウド共有リンクは業務で使われる機会が多いため、不審に見えにくい場合があります。そのため、添付ファイルだけでなく、リンク先の確認も必要です。送信元が知っている相手に見えても、共有方法やファイル名、本文の文脈に違和感がある場合は、別の連絡手段で確認することが安全です。

Emotetメールを受け取ったときの確認ポイント

Emotetメールは、実在する相手や過去のやり取りを装うため、見た目だけで判断するのは危険です。

添付ファイルやリンクを開く前に、送信元・文面・ファイル形式・共有方法に違和感がないかを確認することが重要です。

送信元だけで安全と判断しない

Emotetメールでは、実在する相手からのメールに見える場合があります。過去のメールへの返信形式になっていたり、本文の一部が引用されていたりすると、通常の業務連絡と誤認しやすくなります。

しかし、返信形式や過去の本文引用があっても、安全とは限りません。メールアドレスや表示名だけで判断せず、本文の内容・添付ファイルの必要性・送信タイミングに違和感がないかを確認します。少しでも不自然に感じる場合は、メールに返信するのではなく、電話やチャットなど別の経路で相手に確認することが安全です。

添付ファイルやリンクをすぐに開かない

請求書・見積書・会議資料などのファイル名に見えても、添付ファイルをすぐに開かないことが重要です。拡張子・ファイル形式・圧縮ファイルの有無を確認し、普段のやり取りと異なる形式で送られていないかを確認します。

ファイルを開いた後に、マクロの有効化やセキュリティ警告の無視を求められた場合は操作を続けないようにします。URLリンクについても、アクセス前に正規の共有方法か、送信元や共有内容に不自然な点がないかを確認します。クラウド共有リンクやファイル転送サービスであっても、本文の文脈に違和感がある場合は注意が必要です。

開いてしまった場合はすぐ報告する

「添付ファイルを開いた」「マクロを有効化した」「リンク先でファイルをダウンロードした」「何らかの操作をした」などの場合は、速やかに報告します。情報システム部門やCSIRTなど、社内で決められた窓口へ連絡し、自己判断で端末操作を続けないことが重要です。

報告時には、「送信元」「件名」「添付ファイル名」「開いた操作」「発生時刻」を共有すると、影響範囲の確認が進めやすくなります。感染が疑われる場合は、端末隔離・ログ確認・パスワード変更などの初動対応につなげます。早期報告が、感染拡大や情報窃取を防ぐための重要な行動になります。

※・・・CSIRT(Computer Security Incident Response Team)とは、セキュリティインシデント発生時に、迅速な調査・分析、対応、再発防止策の策定を行う専門チームのこと。

Emotetメール例を社内教育に活かす方法

Emotet対策では、メールの特徴を知るだけでなく、実際に受信した場面で正しく判断できるようにすることが重要です。

社内教育では、メール例を使って違和感に気づき、開かず、必要に応じて報告できる行動を定着させる必要があります。

実際に近いメール例で判断力を高める

Emotetメールは業務メールに紛れ込むため、座学で概要を説明するだけでは十分とはいえません。実際に届きそうなメール例を使い、受信者がどこに違和感を持つべきかを考える訓練が有効です。

例えば、過去メールへの返信形式、請求書や見積書を装う文面、クラウド共有リンクを使った案内など、複数のパターンを訓練で扱います。営業部門には取引先からの資料共有、経理部門には請求書や支払い確認、人事部門には応募書類や面接日程など、業務部門ごとに届きやすい文面を想定すると、より実務に近い判断力を高めやすくなります。

見抜く訓練だけでなく、報告まで練習する

Emotet対策では、不審メールを見抜いて開かないことが重要です。しかし、万が一添付ファイルを開いたり、リンク先で操作したりした場合には、早期報告が被害拡大を防ぐ鍵になります。

そのため、教育では「怪しいメールを見抜く」だけでなく、「開いてしまった場合に誰へ、何を、どのように報告するか」まで練習することが大切です。報告テンプレートを用意し、送信元・件名・添付ファイル名・操作内容・発生時刻などを共有できるようにしておくと、初動対応につなげやすくなります。誤操作を責めず、早期報告を評価する運用も欠かせません。

体験型学習で「怪しいと気づく・開かない・報告する」を定着させる

Emotetメールは、実在する相手や過去のやり取りを装うため、実際の判断に近い学習が必要です。知識として手口を知っていても、業務中に自然なメールとして届くと、添付ファイルやリンクを開いてしまう可能性があります。

体験型学習であれば、メール例の確認から、添付ファイルやリンクを開く前の判断、誤操作後の報告までを実務に近い形で学べます。

セキュアプラクティス®』では、標的型攻撃メール・フィッシング・ランサムウェア・スミッシングなどのシナリオを通じて、人的対策を強化しやすくなります。管理者側で履修状況を確認できるため、教育の運用にも活用しやすいサービスです。

まとめ|Emotetメール例を知り、開かない・報告する行動を定着させる

Emotetは、メールの添付ファイルなどをきっかけに感染を広げるマルウェアです。過去のメール返信や実在する相手を装うため、通常の業務メールのように見えることがあります。

メール例としては、返信メールを装うもの、請求書・見積書・発注書などの業務連絡を装うもの、クラウド共有リンクやファイル転送サービスを装うものがあります。送信元だけで安全と判断せず、添付ファイルやリンク、文面の違和感を確認することが重要です。

もし添付ファイルを開いたり、リンク先で操作したりした場合は、速やかに報告し、端末隔離や調査につなげる必要があります。『セキュアプラクティス®』のような体験型学習を取り入れることで、Emotetメールへの判断力と報告行動を定着させやすくなります。

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